道場選び。最後は流れに任せた
今回の道場選びについて、少しお話させていただきます。
結果として今の道場に落ち着くまでにはかなりの期間と労力が必要でした。
そしてそれは自分自身の中にあった理想とは大きくかけ離れたものとなってしまいましたが、その労力は全て自分の価値観や常識といったものを手放すまでの試練のようなものだったのかもしれません。
結果としては現状が最善というお話となります。
「テナントを借りよう!!」
きっかけは長年道場として利用させてもらっていた福岡市民体育館の閉館によるものです。
昨年初めて福岡県にも緊急事態宣言が発出された時だったかなぁ、以前から閉館の噂はあったのですが、この頃に正式発表されたと思います。既に代替地となる体育館が出来ているのですが、そこがまた遠いんですよね。
そこで思い切ってテナント借りよう!!と動きだしたのが昨年の初夏。まさかここまでの期間と労力が必要になるとは、この時は思ってもみませんでした。
条件は”道場”としての利用、交通の便が良いところ、しかも低予算。余裕があっての物件探しではないのでこれは外せません(笑)。
最初の候補地は早良区西新
”サザ〇さん通り”に面しているという内容と周囲の環境に惹かれ、不動産屋さんに問い合わせてみると良さそうなお返事をいただいたのですが、既に申込者がおられたとのこと。しかし、「来年の初め頃に同じビルの2Fに空きが出ますよ」というお話を伺ったので待ってみることに。
途中約一か月間の契約延長などもあり、ようやく待ちに待った内覧の日。西新のドンキ前で指導員のKさんと待ち合わせ、期待に胸膨らませながらいざ内覧へ。
第一印象は意外と広い。そこで中に足を進めてみると「あれっ?何この感覚は・・・」床が思っていたものとは違ったのです。道場で利用するのに床は最重要です。「ここにこういう看板を設置して、ここはこういう使い方で・・・」約半年以上勝手に思い込んで膨れ上がっていた妄想は一瞬にして崩れ去りました。その日の帰り道、我々の落胆ぶりはご想像にお任せします。(笑)
体育館閉館まで時間がない。
3月31日の閉館までに何とか探さなくては・・・
それから新たに物件探しをするのですが、問い合わせの時点で断られまくる。
利用目的は何ですか? 「合氣柔術という武術の道場です」
無理ですね。
そんな時ふらりと立ち寄った不動産屋さんからこうアドバイスをいただきました。
「利用目的が”道場”というのは敬遠されるかもしれませんね。護身術の教室としてはいかがですか?」といった様な内容でした。
なるほど受ける印象は格段に柔らかい。
それからは「護身術教室」として物件探しをしてみることにしました。
ただしこれは印象が僅かに柔らかくなった程度であり、条件的に厳しいことに変わりはありませんでした。
その後も問い合わせの段階で断られまくる。
そんななか中央区薬院に良さそうな物件が見つかり、内覧の後初めて契約申し込みの段階まですんなりと進む。
進んだのですが、その後が中々進まない。申し込みから10日待ちましたが進展が見られなかった(オーナーからの返事がない?)。閉館の期日が迫る私にとってはこの時間をゆっくり待つことが出来ませんでした。
そこで指導員のKさんからこういう提案が。
「他の物件も問い合わせしてみたらどうですか?」
既に1件申し込みしているのに結果が出るまで他の問い合わせをすることができないというのが私。
そこで「あなたが聞いてくれるなら聞いてみて」と私。
ここからはとんとん拍子。
内覧の日も素早く決まり、内覧後の申し込みから保証会社の審査~OKが出るまでの時間があっという間でした。
ホント今までの苦労は何だったのという位、あっという間でした。
ただしそこは普通の住居マンションの5F
フツーのマンションの5Fですよ
5F
自分の理想としていた通り沿いに看板を設置することは出来ない。しかもビルの5Fなので当然階下の方への振動や周囲の方々への騒音に対して配慮しなければならない。というか自分の常識の中では道場としてありえない環境なのです。
もちろん利用目的を「護身術教室」とした時から稽古内容を柔らかいもの、その環境に合わせて出来ることをやるという風には路線変更していましたが、ここまで”隠れ家”のような場所に自分が落ち着くとは想像もしていませんでした。
それにしてもよくオーナーさんが許可してくださったと思います。ホント受け入れて下さってありがとうございます。
結果として
本当に良かったと思っています。今回の件を通して思うことは”導かれている流れに抗っている間は何をやっても上手く進まず、自分の中から理想や常識といったものを手放した時にはビックリする位のスピードで物事が進む。”
こういうことを身を持って体験させられたように思います。
大事ですね
人の意見を聞く事と現象の流れを観ること
これからどんな道場になっていくのか?
隠れ家道場を思いっきり楽しみたいと思います。
無限道場 道場長 竹内 研二