合氣は弟子にしか通じない
動画を配信していると「弟子にしか通じない技」というご意見をよく頂きます。
もちろん全世界には80億人もの人が居る訳で全ての方に通じるとは思っておりません。実際に道場生の中にも効きやすい人、そうでない人が居るのも事実。そこは「条件付き」であるとお答えさせていただいております。
ではその”条件”とは何か?
結論を先に言えば
1.弟子だから、演武だから容易に間合いを詰めさせているということ。
私たちの基本姿勢は「後の先」であり、相手が攻撃を仕掛けてきた場合の対処法を主に稽古しております。
動画でお見せしているのは相手が容易に手首を掴んだり、肩を突いたりという条件付き。それはあくまで型をお見せするための演武だからであり、実際には”間合いを詰める”ということはそう容易いことではありません。なぜなら我々のいう後の先とは相手に容易に間合いを詰めさせないためのものでもあり、そのために相手を観る感覚と制する技を磨いている訳ですからね。増してや後の先という枠を外してしまえば受けが無傷で間合いを詰めれる可能性は遥かに低くなるでしょうからね。
2.では実際にその技が使えるのか?
私たちは自ら争いを求めませんのでまずは一目散に逃げます。
しかしどうしても避けられないような状況の場合、基本に忠実にそして馬鹿正直に後の先に徹するつもりもありません。
そこら辺にあるものを投げつけたりもするでしょうし、型通りの技を使って対処するほどの余裕は無いでしょう。
また仮に「動画で観た技を受けてみたいという場合は」(まず私は受け付けませんが)”初見”ではなくこちらが不利であるということ。
技に対する対処法を備えて来られた場合などは基本通りにいくはずがありません。
3.そして道場生、弟子の名誉のためにも言っておきますが、
弟子はバカではありません。
うちの道場は忖度がありませんので、
道場長である私を持ち上げるようなことはしませんね。
日々感覚を磨き、カラダを作る稽古を重ねています。
日々進化している訳ですし、弟子だから怪我もしない訳です。
私も弟子の育成のために技を掛けて手本を示すのであって
カラダを使って一つの可能性を伝えている訳です。
わざわざ見ず知らずの人に大事なエネルギーを使う必要はないということ。
万一相手を傷つけようものなら傷害事件になってしまいます。
自分の技を証明するためにそんなバカなことにチャレンジしたくはありません。
だから
色んな意味で条件付きである訳です。
いろんな技があるのは五体全ての可能性、感覚を磨くためのもの。
アンチの方にも
弟子にしか通じないではなく
「弟子のためにしか使わない」という表現を理解していただけると幸いなのですがね。